ポジショニングとは
体位は、呼吸・消化・血液循環など体内の活動を促進し、褥瘡予防にもつながる。身体の動きの概念から適切な体位を保つことをポジショニングという。
目 的
介助する方もされる方も負担のない体位変換と動きの支援を提供する。
メリット
適切な体位をとることは、患者さんの体内の活動や身体の動きの支援にもなり、状態悪化や褥瘡、拘縮を防ぐことにつながる。
身体の動きの概念を知り適切な体位を保持するポジショニングは、体内循環や呼吸にもよく、患者さんの状態悪化を防ぐほか、褥瘡の予防にもなる。ケアする側の負担軽減にもなり、1年目から系統立てて習得することが望ましい技術のひとつ。小諸厚生総合病院看護部では、2004年より外部のキネステティクス・ベーシックコース(接触と動きの概念をベースに介助を学ぶ)を受講した看護師らが院内で研修を開始。2006年からは看護部教育委員会の研修企画となり、すでに習得した看護師が中心となって、ポジショニングの研修を行っている。
「今までのボディメカニクスとは違う、介助される方の動きの理解から始まる介助方法に感銘を受けたことが始まりです」と、研修立ち上げに携わった斉藤看護師(皮膚・排泄ケア認定看護師)は言う。院内に広め、専門コース内の一つのプログラムにまで練り上げたのは、この方法で体位変換をされた患者さんの気持ちよさそうな姿を見て、ご家族が納得してくれたことも大きい。2010年には基礎から始まる5回の研修を実施した。当初は褥瘡の予防という側面が注目されていたが、現在では受講者も増え、呼吸・循環を考えるポジショニング研修へと広がりを見せている。
経年別コースと専門コースの2本立てで教育
経年別と専門の2つのコースで看護師の教育を行っている。経年別コースの1年目コースは、基本的な知識・技術を身につけ、指導を受けながら正確で安全な看護実践ができることなどを目標に掲げ、基礎的プログラムを用意している。専門コースには11のコースがあり、ポジショニング研修もそのひとつ。新人も受講可能。
他職種も講師になり現場で活かせる技術を伝授
ポジショニング研修は、講義や実習を交えて誰もが新しい概念を学べるよう企画。集中ケア認定看護師による、呼吸・循環を中心にポジショニングを考えるというテーマの講演や、理学療法士・作業療法士による、体の動きを促す接触についての演習と講義などで、ポジショニングの基礎から実際の提供までを目指している。
学ぶ意欲をサポート
やりたい看護に耳を傾け実現のためのサポートを惜しまないというのが、看護部のモットーでもある。2010年には、フェルデンクライス・プラクティショナー(物理学者が開発した動きを支援するメソッド)を足かけ4年の研修で取得した看護師も誕生した(上写真:中澤沙代子 看護師)。『動きの支援』という同じ視点で、ポジショニング技術とあわせての実践が期待されている。
患者さんの状態に合わせたポジショニングを実践
ポジショニング研修を受けて、クッションを関節に沿って入れるのは、患者さんも看護師にとっても楽だということが分かりました。研修では、ポイントの分かりやすい説明があり、患者さんとの関わりをもっと工夫しようと思うようになりました。患者さんのためにできることが増えて、成長を実感できています。
ナラティブ研修
ナラティブとは『語り』のこと。印象に残った看護などを振り返るために、新人が4分間で物語風に発表を行っている。成長した新人看護師の姿に、看護部長は親心から感動の涙を流し、それを見た新人たちも、もらい泣きするという、なんともあったかい研修の場になっている。
摂食嚥下研修
プリンを噛まずに飲み込む、せんべいをふやかして飲み込むなど、患者さんの食事を体験する。「どういう姿勢だと飲み込みにくいかわかった」と好評だが「おなかが空いていた時だったのでよかった」なんていう珍感想も。